アメリカで最もおいしい料理は何か、中華料理である。ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンジェルス、それぞれのチャイナタウンで味わう中華料理は最高である。
本場の香港は2位。日本は3位。日本は値段が高すぎる。アメリカではフカヒレの姿煮は、せいぜい70ドルぐらいだろう。
ロサンジェルスのチャイナタウンの場末に、『チャイニーズ・フレンド』と言う小さな矩形のレストランがある。僕が毎回オーダーするのは、チャーハン、鳥とジンジャーのスープ、それからエビのソテー塩味である。
ここのチャーハンは、華僑の食通が喉を唸らせる。他にもチャーハンの美味い有名店があるが、『チャイニーズ・フレンド』は、有名店の半額の料金である。
以前、『チャイニーズ・フレンド』を新聞で紹介したことがある。客は僕と同じものばかりを注文するので、店の人に僕が書いていることがばれた。店の主が大層喜んでくれて、オンザハウスにと、焼きそばを作ってくださった。場所は、ブロードウェーの北の果て。
今から25年前に、華僑の友人と来る日も来る日も、チャイナタウンで食べ歩きをした。さすが華僑とあって、珍しい食べ物をよく知っている。中でも、毛をむしれば、身が黒い鳥を食べた事がある。漢方薬と煮込んでから、壺に入れてサーブされる。鳥の名前はショクチーカイ。
ニューヨークのチャイナタウンに行った折、腰を抜かすほどに、小籠包の美味い店があった。ニューヨーク発行の雑誌に紹介文を書いたが、反響の程は分からずじまい。
最後に、俳句で閉める事にする。「鈴虫やチャイナのおやつ水餃子」
新井雅之
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