日米のサービス業務を比較すると、サービスを施す側とサービスを受ける者との立場が、ほぼ対等であるのがアメリカであるが、お金を落としてくれる客に対して、まるで奴隷のようにこき使われているのが日本である。
日本の一流ホテルに勤めて二十五年になる知人が、米国での駐在期間を終えて昨年の暮れに帰国したが、歓送会の席で、このようなことを私にこぼしていた。
「お客様は神様です」と言って、一世を風靡したのは歌手の三波春夫さんだが、ファンにとって、これ以上の殺し文句は無い。だが、この流行語は、客の我が儘を益々助長させることになってしまった。
客に向かって一体その態度(口の利き方)は何だ。とはよく耳にする言葉である。言い換えれば、恐れ多くも神様に向かって何たることだ。ということになる。
お金をたくさん使ってくれる神様の機嫌を損なわないように、日本の商人(あきんど)は手揉みをしながら、腰を低くして、接客に従事するのである。
また、その道を究めた雲の上の人を、○○の神様と呼んで尊敬することがある。
経営の神様・・・松下幸之助
小説の神様・・・志賀直哉
憲政の神様・・・尾崎行雄
野球の神様・・・川上哲治
金儲けの神様・・・邱 永漢
特撮の神様・・・円谷英二
モダン・ジャズの神様・・・チャーリー・パーカー
フラメンコ・ギターの神様・・・パコ・デ・ルシア
サッカーの神様・・・ペレ
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