2010年12月9日木曜日

神 様




日米のサービス業務を比較すると、サービスを施す側とサービスを受ける者との立場が、ほぼ対等であるのがアメリカであるが、お金を落としてくれる客に対して、まるで奴隷のようにこき使われているのが日本である。


日本の一流ホテルに勤めて二十五年になる知人が、米国での駐在期間を終えて昨年の暮れに帰国したが、歓送会の席で、このようなことを私にこぼしていた。


「お客様は神様です」と言って、一世を風靡したのは歌手の三波春夫さんだが、ファンにとって、これ以上の殺し文句は無い。だが、この流行語は、客の我が儘を益々助長させることになってしまった。


客に向かって一体その態度(口の利き方)は何だ。とはよく耳にする言葉である。言い換えれば、恐れ多くも神様に向かって何たることだ。ということになる。


お金をたくさん使ってくれる神様の機嫌を損なわないように、日本の商人(あきんど)は手揉みをしながら、腰を低くして、接客に従事するのである。


また、その道を究めた雲の上の人を、○○の神様と呼んで尊敬することがある。


 


経営の神様・・・松下幸之助


小説の神様・・・志賀直哉


憲政の神様・・・尾崎行雄


野球の神様・・・川上哲治


金儲けの神様・・・邱 永漢


特撮の神様・・・円谷英二


モダン・ジャズの神様・・・チャーリー・パーカー


フラメンコ・ギターの神様・・・パコ・デ・ルシア


サッカーの神様・・・ペレ





0 件のコメント:

コメントを投稿