2010年12月10日金曜日

ペンネーム




高校二年生の時、日頃口数の少ない現代国語の先生が、授業中、黒板に大きな字で石川豚木(ぶたぼく)と書き損じたので大爆笑となった。


文学にあまり関心を示さない当世の若い人たちの中には、島崎藤村や永井荷風のことを「しまざきふじむら」、「ながいにふう」と読む者がいる。


ラジオのアナウンサーが名前を読み間違えて以来、藤本義一(よしかず)が(ぎいち)になり、松本清張(きよはる)が(せいちょう)と呼ばれるようになった。有名になると水上 勉(べん)、川端康成(こうせい)のように、有識読みといって音読みされることがある。


長谷川辰之助は子供の頃に実父から「くたばってしめえ!」とよく叱責されたので、二葉亭四迷(ふたばていしめい)とペンネームをつけたことは有名である。


近所の猫が窓から、ふらっと姿をあらわす度に「おー、ヘンリーじゃないか」。習慣のように口から出る猫の名前が、そのままペンネームになったのが、O・ヘンリー。


社会主義者の雄レーニンはなんと150にも及ぶペンネームを使い分けていた。


 


 





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