2011年5月12日木曜日

女のお話




自分の気持ちに嘘をつきながら


素直になることは


女を欺くことになるのだろうか


それとも


女がウワテだけのことだろうか


だとすれば 二人ともいけないことだ


 


社交界に巣くい


朝帰りの続く女は


僕の綯い交ぜになった痛手を


しなやかな白い温もりでバラシ始めた


 


微笑み 囁き 吐息のにおい


思い切って外に出てみた時のように


女の


粘膜 軟骨に腕を突っ込み


蒼いシルクの産毛に指を侍らすと


女は何も言わない


全てのしぐさが


僕の心に深く染み入るだけだ


 


二人の出会いはイイカゲンなはず


おんなは


時々僕を誘惑する


悩ましい女


だらしのない僕


 


ある日 夢の中で


女は しおらしく泣いていた


僕は女の紅涙を舐められなかった


いったい


この女は ナニ


そして


僕だけが イケナイコトダ





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