2011年2月5日土曜日

嗜好品と原稿




僕は全く、コーヒーは飲まない。飲むことは出来ないと言った方が正確だ。若い頃はコーヒーをよく飲んだ。コーヒーの豆を買ってきて、サイホンで沸かしてコーヒーを飲んだ。コーヒーの豆はガテマラ一筋だ。


二十歳前後に体質が変わって以来、コーヒーが全く飲めなくなってしまった。不思議な事に、カプチーノだけは飲める。オレンジ・カプチーノならなお良い。


体質が変わって、アルコール類が一切飲めなくなるように願うのであるが、歳を重ねるごとに益々酒が好きになる。


病気になる以前、週末の夜になると、食後にコニャックを一杯飲む習慣があった。肴はフランス最古のチーズ、アオカビで熟成されるチーズの代表格、ロックフォール。


ジャズを聴きながら、ブランディー・グラスを傾けて、ロックフォールをつまむのが、僕の週末の夜の過ごし方であった。


一時間ほど仮眠すると、往時は新聞と雑誌の連載に追われていたので、ひたすら机に向かって原稿を書いた。96年まで原稿用紙に向かってペンを走らせた。以降はPCのキーボードを叩いた。


当時はまだ、僕は小さな旅行社を営んでいた。朝から夜までツアーの仕事が入る中、夜を徹して、原稿を書かなければならなかった。一番つらい時期、いや、やりがいのある時期だ。


今では、紅茶を啜りながら、『帰って来たひつじ』の記事を書く日々が続く。もちろん、ジャズを聴きながら…… 。





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