2011年3月27日日曜日

てんかん




丘の上の収容所には


ブルースを感じさせる


不協和音の少年がいた


 


迂遠冗長の少年は


塗炭の苦しみに喘ぎながら


破壊と創造を繰り返すのは


もう 疲れたと言ったために


保護衣を着せられて


独房に放り込まれた


 


魔界に魅入られたかのように


絶叫する少年を


看護人が鉄格子の間から


面白半分に竹槍で突くと


一瞬蛮声を上げ


総身が硬直したかと思うと


全身を〈がくんがくん〉震わせる痙攣が


数十秒つづいた


やがて少年は深い眠りについた


 


丘の上の収容所には


ブルースを感じさせる


不協和音の少年がいた


 


まわりくどいが


几帳面で筋骨型の


動きが遅く鈍い少年だった


ささいなことで苛立ち


激怒する少年だった





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