丘の上の収容所には
ブルースを感じさせる
不協和音の少年がいた
迂遠冗長の少年は
塗炭の苦しみに喘ぎながら
破壊と創造を繰り返すのは
もう 疲れたと言ったために
保護衣を着せられて
独房に放り込まれた
魔界に魅入られたかのように
絶叫する少年を
看護人が鉄格子の間から
面白半分に竹槍で突くと
一瞬蛮声を上げ
総身が硬直したかと思うと
全身を〈がくんがくん〉震わせる痙攣が
数十秒つづいた
やがて少年は深い眠りについた
丘の上の収容所には
ブルースを感じさせる
不協和音の少年がいた
まわりくどいが
几帳面で筋骨型の
動きが遅く鈍い少年だった
ささいなことで苛立ち
激怒する少年だった
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