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2011年8月21日日曜日

My Little One / 愛しいわが子へ 新井雅之




愛する妻がいてJoyがいる


三人だけの小さな世界


幸福のさざなみが


今


ぼくの胸底に打ち寄せる


 


食卓を囲んで


目を閉じて


静かに三人で祈ると


こころが一つになる


感謝の思いが溢れてくる


 


ぼくは弱い


キリストがぼくを強くしてくださる


ぼくが喜びにひたっていたら


江美子もJoyもすこぶる元気だ


互に愛しあうことを忘れない


 


神様はわたしたちを選ばれた


逆境には知恵と力を


順境には謙遜を


大いなる確信は希望


何事でもやってのける勇気


 


愛しいJoyよ


父がいる


母がいる


イエスの愛に包まれて


さあ 恐れずに


黄金の人生を歩め





ポントルソン




ノルマンディー地方の


小さな村の


フランスの


石畳の


教会の


夜道の


路線バスの


小さなホテルのロビー


踏み切りと鉄路の


目抜き通りの


土塊の


ムッシューの


館の


霧雨の


奇跡のスィーツの


森閑


至上の純朴


ポントルソンの


 


 


森閑


 





生きる




赤よりもはるかに赤い


燃えるような漆黒の赤いバラ


ブラックよりもはるかに黒い


戦慄する緋のコーヒー


 


俺は27時64分前に目覚めて


仕事をする


狂ったように


 


大きなカラスが血を吐くように


狂ったように


仕事をする


 


俺は病に蝕まれて片端になっても


黒い血を吐き


狂ったように


狂ったように


紅く 生きる


本欄に掲載の記事の無断転載を禁じます。すべての内容は日本国及びアメリカ合衆国の著作権法並びに国際条約により保護されています。© 2002-2010 Masayuki Arai





2011年5月21日土曜日

歯が痛い




新井(歓喜)ジョイ 9歳


 


痛い 痛い


歯が痛い


グラグラ グラグラ 歯が痛い


 


痛くて 痛くてしょうがない


ああ どうしよう どうしよう


 


痛い 痛い


いじわるの歯


わたしをそんなにいじめないでよ~


 





2011年5月19日木曜日

真夜中の日課




ロサンゼルス郊外


深夜のフリーウェイ沿いに 車を停車した


 


垢づいた黒い空に


タコベル


マクドナルド


デニーズのネオンサインが


魔女~魔女~揺らいでいる


 


一体おれは、どうして


なぜ、この年齢になって


今、ここにいなければならないのだろうか


 


毎日、同じ車を運転して


同じ道を通い


同じものばかりを腹に入れて


同じ人間たちと付き合っていく


 


おれは今、女(スケ)を迎えに来たのだ


時には車から抜け出して


おれは魔女たちと重なり合いながら


過去と現在と未来を置き換える


 


同じねぐらへ、女と一緒に帰るために


おまんまを腹いっぱいになるまで喰らいたいから


夜な夜な、おれは同じことを繰り返す





2011年5月18日水曜日

12月24日




僕の鳩尾(きゅうび)に穴があいたからと言って


そんなに見つめないでください


 


悲観的になったり


過去にこだわったりするのは


そのせいではないのです


 


いつの日か


小さくてもいいから


心の安らぎが得られるまで


応急手当をしてくれれば


それでいいのです


 


僕は「ありがとう」ってみんなに言いたい


でも 鳩尾に穴があいているせいか


寒くて 寒くて


口元が震えてはっきりと言えないけれど


 


いつの日か


小さくてもいいから


心の安らぎが得られた時


幸せに満ち溢れた顔で


心から微笑んで「ありがとう」って言うよ


 


人々が血潮を懸けて祈る暮夜


恋人たちがシャンパンの栓を抜く夕暮れ


そして


ミサが始まる朝


 


僕の鳩尾に穴があいてしまった





2011年5月16日月曜日

脱皮




こんなはずじゃなかったのに


白いシーツに酒の匂い


白い壁にカクテルグラス


扉を開けると


二人きりで君の誕生日を祝ったね


 


ポタージュとハンバーグをまわして遊んだ思い出


君の友達をまわして泣けてきた


でも何かまわしたりないみたい


 


午後九時三十分


電話のベルは鳴るはずがない


そのかわり


感情豊かな弦を聞いています


だから


もう


地下鉄には乗りません


パルファンの薫が消えるまでは


フルートをウィッファーと呼べるまでは


地下鉄には乗りません


 


モスコミュールを飲むことがあったら


目薬をさすんだよ


ミュートに


ああ


メイナード・ファーガソンのホーンが


ミュートに聞こえる


 


こんなはずじゃない


こんなはずじゃなかったんだ





2011年5月12日木曜日

女のお話




自分の気持ちに嘘をつきながら


素直になることは


女を欺くことになるのだろうか


それとも


女がウワテだけのことだろうか


だとすれば 二人ともいけないことだ


 


社交界に巣くい


朝帰りの続く女は


僕の綯い交ぜになった痛手を


しなやかな白い温もりでバラシ始めた


 


微笑み 囁き 吐息のにおい


思い切って外に出てみた時のように


女の


粘膜 軟骨に腕を突っ込み


蒼いシルクの産毛に指を侍らすと


女は何も言わない


全てのしぐさが


僕の心に深く染み入るだけだ


 


二人の出会いはイイカゲンなはず


おんなは


時々僕を誘惑する


悩ましい女


だらしのない僕


 


ある日 夢の中で


女は しおらしく泣いていた


僕は女の紅涙を舐められなかった


いったい


この女は ナニ


そして


僕だけが イケナイコトダ





2011年5月9日月曜日

朝のデッサン




 


 鎖の付いた光彩


 


白い手で蠱惑(こわく)するときめき


 


朝もやの悪戯


 


ペパーミントの幻想


 


もう それだけで


僕自身


 


十分なんだ





2011年5月6日金曜日

詩三篇




 


勝利


 


「負けるが勝ち」


年齢を重ねるごとに


この言葉の意味が


重みを帯びてきた


 


負け惜しみではなく


自分の心を解放することによって


相手の心までもが変わってくる


 


「負けるが勝ち」


謙遜は神様に愛される


最良の近道だと思う


 


 


 


 


夢


 


裸一貫で渡米して


富と名声を手に入れることが


アメリカン・ドリーム


 


けれども


時として夢は


落とし穴だらけの


自滅の道でもある


 


マザー・テレサの信条は


「なくても与える」


 


より少なく持てば


その分 より多く与えられる


より多く持とうとすれば


より少なく与えることしかできない


 


真実の夢には


力強い愛が見える


 


 


 


 


自制


 


ジャン・コクトーは語った


「金持ちになった貧乏人は


贅沢な貧しさをひけらかすであろう」


 


聖書は伝えている


「わたしの恵みは


あなたに対して十分である」


 


ソルジェニ-ツィンの21世紀論の一つは


「真の精神的満足は


何かを手に入れることではなく


それを拒否することによってのみ得られるのである」


 


 


 


 


 


 





2011年4月28日木曜日

サンドイッチ




パパとママが左右から、Joyの顔を挟んでサンドイッチ・キッス


パパとママが左右から、Joyの身体を抱きしめてサンドイッチ・ハグ


Joyが善い行いをしたら、Joyの感性に敬意を表してサンドイッチ拍手


お昼寝の際に、川の字になってサンドイッチ・リバー


時折パパが真ん中に寝るので小の字になる


でも、言うことを聞かない時には、パパもママもピリリと辛い


だってサンドイッチは、マスタードが味を引き立てる


 





2011年4月23日土曜日

午後の静物




土曜日


静かな昼下がり


青空とグリーンと白


鳥たちは遊び 季節の花が美しい


まどろむ気候の中で


最近の僕はのんびりとやっているのです


 


僕には分かっている


汚染された灰色の空も


そして虹色の海も


僕を抹殺しようとしたのだ


 


病室の窓からいつも見ていた


あの


空よりも大きい巨大な拒絶の白壁が


きょうも僕のカラダの中を覗き込んでいる


ぶちた壁面は


どす黒い腫瘍を剥きだして嘲笑い


必死の思いで逃亡する僕を


わしづかむ


 


僕は逃げた


 


逃げても 逃げても


過ぎ去った空隙をぶち破って


蒼いシルエットが


すさまじい勢いで僕を吹き飛ばす


 


僕のカラダは


かたい塊となって


静止したまま


もう どのくらい生き続けたのだろう


 





2011年4月21日木曜日

屍(しかばね)




僕は闇夜に浮かんだ黒い星


生かされるのか 失命するのか判らない


ヘドロの様な血を吐き 汚染された咳をして


きょうもあしたも


飼い殺しにされた 屍を見るがよい





2011年4月14日木曜日

どちらが?




リンゴとイチゴ どちらが赤いだろうか


ライオンとトラ どちらが強いだろうか


バラとユリ どちらが美しいだろうか


向かいのオヤジと隣のオヤジ どちらが頑固だろうか


隣町のスーパーと地元のスーパー どちらが安いだろうか


吉本興業と松竹芸能 どちらが面白いだろうか


帝国ホテルとホテルオークラ どちらが高級だろうか


僕の嫁はんと近所の嫁はん どちらがはんなりとして綺麗だろうか





2011年4月11日月曜日

青と蒼




黒い流れ星が僕の眼(まなこ)にほとばしった


紅(くれない)の心はふさぎ 寂寥(せきりょう)を道ずれに


僕は益々輝きを増す


過重な青が暗闇に潜む時


僕は自分の体の中に 混迷してしまうのだ


言語サラダの蒼がまばゆい


僕の心は血色に染まる


 


足かせの青と眩耀(げんよう)の蒼


ウルトラ・マリンの螺旋階段


僕は生きるほどに


苦しみ


切なくなるほどに


苦しむ





2011年4月10日日曜日

出世頭




修学旅行の宿で、一緒に煙草を吸っているところを先生に見つかり、一晩中正座をさせられた龍介は、事業に成功して世界中を股にかけて活躍している。


幼馴染の武史君はドイツに留学して、名の知れた音楽家になりつつある。


一緒に珠算塾へ通っていた健一は、親父の後を継いで政治家となるべく、大臣の秘書となった。 


高校一年の時、隣のクラスにいたイチビリの具志堅は、オリンピックのゴールドメダリスト。


野球部のキャプテンで、体の大きいあばた面の藤沢は、「俺は今、○○組のナンバー・ツーや」ドスの利いた声で語った。


一番仲の良かった慶三は、関西一円にたこ焼き屋のチェーン店を7軒も開店させた。


今、僕の前でカップメンを啜っている匿名希望君は、詳しい経緯はまだ語ってくれないが、一家離散、夜逃げして、今どや街で暮らしている。こいつ、暇なせいか話が良く弾む。


「おまえ、アメリカくんだりまで行って、まだ詩なんか書いてんの。物好きやのぅー」


相変わらず口だけは達者だ。みんな偉くなって忙しい、忙しいと言ってるけど、どん底の匿名希望君は、年中日曜日。


「おまえ、試練を堪え忍べよ。試練に遭ったことはええことなんや」 


一年後、匿名希望君から丁寧な手紙が届いた。「その節はギデオンの新約聖書有り難う。あれから教会へ通うようになり、悔い改めてイエス様を受け入れました」


僕は早速返事を書いた。「君が出世頭や!」





2011年4月8日金曜日

知っているだろうか




女が女でなくなる時 女はそれを知っているだろうか


犬がニャーと鳴き猫がワンと鳴く時 ポチとタマはそれを知っているだろうか


野菜が果物で果物が野菜に変わる時 バナナと白菜はそれを知っているだろうか


英語がスワヒリ語で中国語がスペイン語の時 通訳者はそれを知っているだろうか


僕が僕でなくなる時 僕も私も俺もそれを知っているだろうか





2011年4月7日木曜日

ガンバレ東日本




悲しみは突然やってくる


長閑な風景も消え失せて


愛する人々を亡くした


 


苦しみは突然やってくる


家族は枯葉ように離散し


みんなの幸せを一気に飲み干す


 


どんなにつらくても


あなたの優しさが好き


鷲のように強いあなたが好き


 


どんなにつらくても


あなたは負けないわ


天使のような あなたの笑顔が好き


 


日の丸を掲げて 世界中の友達が応援しているよ


その悔しさをバネに


肥沃な大地を夢見て


さあ 恵み深い海へ帆をはろう


 


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2011年4月6日水曜日

アベコベ




空に海があり


海に空があったら


飛行機は航海


船はフライト


 


窓にドアがあり


ドアに窓があったら


泥棒は戸惑う


住人は不便


 


女は男であり


男は女であったら


番台のオヤジは困る


宝塚歌劇団は混乱する


 


地獄は天国にあり


天国は地獄にあったら


罪人は天国に行き


良人は地獄に堕ちる





2011年4月4日月曜日

難しい




数学は算数よりも難しい


子供を産むより育てる方が難しい


政治家になるより農夫漁師なる方が難しい


電卓よりもそろばんの方が難しい


宇宙に行くことよりも人類が平和でいることの方が難しい


嘘をつくことよりも正直でいる方が難しい


死ぬことよりも生きることの方が難しい