35年前に、大阪は南にカレーライスの美味しいレストランがあると聞き、友と二人で赴いた。
店に入ると、正面に『虎は死んで皮を遺す。織田作死んでカレーを遺す』と、書いた紙をうやうやしく額に入れて張り付けてある。
織田作之助は、ある小説でこの店のカレーライスを描写している。いわば、織田作によって、この店のカレーは有名になった。
カレーライスを食べ終わって、友は紙ナプキンに、なんやら書いているではないか。僕はそれを見て笑った。
「虎は死んで皮を遺す。織田作死んでカレーを遺す。客はまずくてカレーを残す」
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