セーヌ河はたゆたうと流れて
どこまで沈みゆくのか
ぼくが見たセーヌは
真冬の明るいパリの街を
清涼な大気の眼で幾重にも描かれていた
春のようにまめやかしく
夏のように颯爽と外(おもて)に飛び出したくなるような
秋の静寂がジュルリー 愁いがプシュリー
星くずを降らしている
セーヌはパリを愛した
パリの街もセーヌを愛した
パリに住む人々も
パリの街を訪れた男も女も
そして
ぼくのような流浪(さすらい)人でさえ
パリに魅せられて
セーヌにたゆたうと流れて 沈んで
心を奪われる
モンマルトルの丘の絵描きたちも また
たゆたうとセーヌに流れて沈んでいく
きょうもパリの空の下で
エトランゼの夢を描きながら 歌いながら
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